Press Release

IFC、新興国市場における実体セクターへの融資拡大に向け、世界の大手保険会社と30億ドルの信用保険契約で合意

2024年12月19日

2024年12月19日、ワシントンD.C.―国際金融公社(IFC)は、協調融資運用ポートフォリオ・プログラム(Managed Co-lending Portfolio Program、以下「MCPP」)の下、新興国市場における実体セクターのプロジェクトへの融資や雇用創出、持続可能な経済成長の促進に向け、世界各国の保険会社14社と30億ドルの信用保険契約を締結しました。

同プログラム(通称、「MCPP実体セクター」)は大手保険会社のリスク負担能力を活用し、エネルギー、運輸、通信、メディア・テクノロジー、金属・鉱業、水・廃棄物管理、製造業、農業ビジネス・林業、保健医療、教育、ライフサイエンス、観光、小売、建設、不動産などの実体セクターにおいて、IFCのグローバルな融資能力を強化するものです。

同プログラムは実体セクターに特化したIFC初の信用保険ファシリティです。保険会社にはより幅広いセクターや顧客層にかかる取引拡大の機会を提供する傍ら、IFCの投融資先市場に社会・経済・環境面で大きな恩恵をもたらします。

「今回の信用保険契約は、差し迫った開発課題への対処に向けたIFCと世界各国の保険会社間の強い協力関係を裏付けるものです。保険会社との協働を通じ、IFCは、地域コミュニティに直接的な恩恵をもたらし、雇用創出や持続可能な成長にも貢献する実体セクターのプロジェクトにさらなる資金を呼び込むことが可能となります」とIFCの財務及び資金動員担当副総裁兼トレジャラーであるジョン・ガンドルフォは述べています。

今回、新たに「MCPP実体セクター」が加わることで、機関投資家及び保険会社を対象とするIFCのポートフォリオ・シンジケーション・プラットフォームであるMCPP下で調達される資金総額は、190億ドル超となる見込みです。

同プログラムには、スイス・リー、東京海上グループ(東京海上日動火災保険及びTokio Marine HCC)、アクシス・キャピタル、アクサXL、SCOR、ミュンヘン再保険、エベレスト、ハートフォード、HDIグローバル、リバティ・スペシャルティ・マーケッツ、アスペン、アリアンツ・トレード、チャブ、Sompoといった一連の著名な保険会社が参画しています。同プログラムは、人々の生活向上と長期的な経済開発を目的とする資金動員において、民間の保険会社が果たす役割が大きくなっていることを示唆しています。

同プログラムは、金融機関に対する融資の拡大を目指した昨年度のMCPPプログラムを補完・拡張するものです。今回の新しいファシリティを通じ、各保険会社は新興国市場の実体セクターにおける質の高い多様なIFCの融資機会にアクセスできるようになります。

MCPPは現在までに68カ国で329を超えるIFCの顧客を支援しており、持続可能で包摂的な開発の促進に幅広いインパクトをもたらしています。

 

参画保険会社からのコメント

「新興国市場の持続可能な成長を促進する新たなMCPPを支援できるとともに、インパクトの最大化に向けた民間セクターの資金動員においてIFCと再び協働できることを光栄に思います」とスイス・リー・パブリック・セクター・ソリューションズの会長であるヴェロニカ・スコッティ氏は述べています。

「HDIは長年にわたりIFCと緊密な協力関係にあり、新興国と地元企業の成長支援のための資金動員において、重要な役割を果たせることを光栄に思います。HDIは変革のグローバルパートナーとして、変化するリスク環境にお客様が対応できるよう支援してきました。MCPPはまさにその好例であり、保険業界がいかに喫緊のグローバルな課題への対応で貢献できるかを示すものです」とHDIグローバルUK&アイルランドの最高経営責任者であるステファニー・オグデン氏は述べています。

「MCPPは、民間セクターの保険引受能力と投資を開発金融に振り向けるための、実績に裏打ちされた革新的で非常に効率的な仕組みです。この対象を新興国の実体セクターにおけるプロジェクトや参画者に広げることは自然な展開であり、IFCの融資が人々の暮らしにもたらすポジティブなインパクトを拡大するだけでなく、アクサXLにも健全なビジネスチャンスをもたらします」とアクサXLポリティカルリスク&クレジットの米州担当アンダーライティング・マネージャーであるジェフ・アブラムソン氏は述べています。

「MCPPは、民間保険会社がIFCの融資実行と信用リスク管理の高い専門性を活用しつつ、民間資金を動員してより大きな社会的インパクトを創出する革新的なプログラムです」と、東京海上日動火災の専務執行役員である細島英一氏は述べています。「東京海上は、開発途上国における持続可能な開発を支援する重要性が増しており、このプログラムは私たちの目的と価値観に一致していると考えています。私たちはこの新しい取り組みを支援できることを嬉しく思います。」

「SOMPOグループはIFCとのパートナーシップを拡大させ、IFCの使命である発展途上国所在企業へ融資を通じた活力を与える事業の一端を担うことができ、大変光栄です。本パートナーシップは当該分野におけるIFCの広範かつ確立された専門性をサポートするものであり、参加できることを嬉しく思います」とSompoインターナショナルのエグゼクティブ・バイスプレジデントであるマシュー・ウーラム氏は述べています。

「AXISのようなグローバルな信用保険会社は、新興国市場の持続可能な経済成長の促進において重要な役割を担っています。我々の業界とIFCをはじめとする国際金融機関との長年にわたるパートナーシップは、持続可能であるだけでなく、拡大し続けており、新興国市場にさらなる民間資本を提供しています」とアクシス・リーのグローバル・クレジット・ヘッドであるマイケル・サイラス氏は述べています。

 

IFCについて

世界銀行グループの一員であるIFC は、途上国の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関です。途上国で市場と機会を創出するため、IFCは持てる資金、知見そして影響力を活かし、世界100カ国以上で活動しています。2024年度、IFCは途上国の民間企業と金融機関に対し、過去最高となる560億米ドルの投融資を承認し、居住可能な地球において貧困のない世界の実現に向け、民間セクターによる解決策の活用や民間資金の動員に取り組んでいます。詳細はwww.ifc.org.をご覧ください。

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