Press Release

IFCとパートナー、セネガルのダカール・パスツール研究所を支援し、アフリカにおけるワクチンの製造を強化

2024年12月13日
Institut Pasteur de Dakar

2024年12月13日、セネガル、ダカール―国際金融公社(IFC)は本日、アフリカのワクチン製造能力を飛躍的に向上させるため、ワクチン製造メーカーのダカール・パスツール研究所(IPD)に対して融資パッケージを提供し、セネガルにおいて複数のワクチンを製造できる最先端施設の建設を支援することを発表しました。

同施設の計画は、「アフリカにおける予防接種の製造と自立性の向上(MADIBA)」プロジェクトとしても知られ、ダカール近郊のディアムニアディオに建設される予定です。同施設が本格的に稼働すれば、年間最大3億人分のワクチン製造が可能で、接種が必要不可欠なワクチンをアフリカ市場に供給できるようになります。

IFCは今回のプロジェクトへの資金動員を主導し、4,500万ドルの資金パッケージを取りまとめました。この内訳は、IFCからの融資が1,500万ドル、国際開発金融公社(DFC)とアフリカ開発銀行(AfDB)の開発金融機関パートナー2機関からの資金動員が3,000万ドルとなっています。

アフリカ疾病予防管理センター(アフリカCDC)は、2040年までにアフリカ大陸で使用される定期接種ワクチンの60パーセントを現地製造する、という野心的な目標を掲げています。アフリカは現在、定期接種ワクチンの供給で他国に大きく依存しており、ワクチンの99パーセントを輸入しています。

同施設はワクチンへのアクセス向上や高付加価値の雇用創出、医療システムの強化に加え、感染症や小児疾患へのアフリカの対応力の強化が期待されています。

「今回のIPDとのパートナーシップは、IFCによるアフリカの医療インフラ強化に向けた取り組みの証左といえます。我々はワクチンの現地製造を後押しすることで、既存そして将来の課題にしっかりと対応できるようにより強靭な保健システムの構築を支援していきます」とIFCのマクタール・ディオップ長官は述べています。

「今回のパートナーシップは、連携の力によってアフリカの保健システムに変革をもたらした好例といえます。この資金調達により、我々はワクチン自立の実現と、アフリカの人々が誰でも命を守る手段を得られるような世界に一歩近づきました」とIPDのディレクター・ジェネラルであるアマドゥ・サル氏は強調しています。

「DFCは、前回の300万ドルの技術支援のためのグラント(無償資金)に加え、今回の1,500万ドルの融資を通じ、IPDを支援できることを誇りに思います。これらの資金はMADIBA施設の建設、そしてワクチンの柔軟な製造体制の拡大を後押ししてきました。同施設によって、IPDはワクチン製造能力を大幅に強化でき、従来からの主力製品である黄熱病ワクチンに加え、さまざまなワクチンの製造が可能となります。今回のパートナーシップはグローバルヘルス、そして革新的なヘルスケア・ソリューションを前進させていくという我々の共通のコミットメントをはっきりと示したものです。我々は、100年以上にわたって築き上げてきた科学的卓越性と公衆衛生への取り組みを基盤に、より健康的な未来への道を開いていきます」とDFCのデピュティ・チーフ・エグゼクティブ・オフィサーであるニシャ・ビスワル氏は述べています。

「アフリカ開発銀行は、当行の『アフリカの製薬産業のための2030年ビジョンとアクションプラン』に沿った、この重要なイニシアチブを支援できることを誇りに思います。今回のプロジェクトは現地製造を後押しするとともに、医療の安全保障の強化やグローバルなパートナーシップの動員、さらにアフリカにおけるワクチン製造体制とテクノロジーの多様化に長期的な資金を提供するという我々のコミットメントを明確に示すものです」と、アフリカ開発銀行のノンソブリン・オペレーションズ・ディレクター兼産業・貿易開発ディレクター代理であるウスマン・フォール氏は述べています。

日本政府は包括的日本信託基金(CJTF)を通じ、ワクチン製造やその他関連のイニシアチブを支援するために設立されたIFCのグローバル・ヘルス・プラットフォーム(GHP)を支援しています。その一環として、同プロジェクトも案件開発の初期段階で日本政府から支援を受けました。

IFCは同プロジェクトの展開を初期段階でも支援しており、他の開発金融機関、ドナー、パートナーと連携を図りながら、2021年にプロジェクト開始のために1,400万ドルのグラントによる資金調達を支援したほか、同プロジェクトの商業化や資金調達のスキームの開発を支援しました。

この度のIFCによるIPDへの支援は、アフリカにおけるワクチンやその他の医薬品製造の能力開発を支援する広範なイニシアチブの一環です。同イニシアチブにより、これまでアスペン・ファーマケアバイオバックとファイザーによる協働案件への融資が実言しました。

本案件の成果は、世界銀行グループ内の協調的な取り組みによるものです。IFC の融資パッケージに加え、世界銀行はセネガルの医薬品規制当局(ARP)が世界保健機関(WHO)から成熟度レベル3の認定を受けられるよう支援しました。この認定は、質の高い製造業育成に資する投資しやすい環境の整備において不可欠となる、同国の安定した規制システムが評価されたものです。世界銀行はARPと保健省にアドバイザリー支援を提供したほか、ARPの同認証の取得に向けたロードマップの実施を資金面で支援しました。

これらの取り組みを補完しているのが、国際開発協会(IDA)の民間セクター・ウィンドウ下にあるブレンド・ファイナンス・ファシリティを通じたIFCおよび動員された貸し手の融資に対する一次損失補償です。同ファシリティは、資金調達手段の確保が困難なIDA諸国において、変革をもたらすプロジェクトにリスク軽減策を提供するものです。

 

IFCについて

世界銀行グループの一員であるIFC は、途上国の民間セクターに特化した世界最大規模の国際開発機関です。途上国で市場と機会を創出するため、IFCは持てる資金、知見そして影響力を活かし、世界100カ国以上で活動しています。2024年度、IFCは途上国の民間企業と金融機関に対し、過去最高となる560億米ドルの投融資を承認し、居住可能な地球において貧困のない世界の実現に向け、民間セクターによる解決策の活用や民間資金の動員に取り組んでいます。詳細はwww.ifc.org.をご覧ください。

Stay Connected with IFC on social media

IDA民間セクター・ウィンドウについて

国際開発協会の民間セクター・ウィンドウ(IDA PSW)は、最も貧しく脆弱な国における民間セクター投資を活性化させるため、2017年に設立されました。民間セクターが雇用創出と経済的変革に重要な役割を果たすという認識のもと、民間セクター・ウィンドウは世界銀行グループの国際金融公社(IFC)および多数国間投資保証機関(MIGA)が支援する民間投資案件のリスク軽減を図るために、協調融資や保証を提供しています。IDA PSWは、商業ベースでの解決策がなく、世界銀行グループが行う他の支援策では十分に対応できない場合の選択肢となっています。詳細はhttp://ida.worldbank.org/psw をご覧ください。

ダカール・パスツール研究所について

ダカール・パスツール研究所(IPD)は、研究、研修、教育、専門的な知識の提供やワクチン製造を通じて、セネガルとアフリカの公衆衛生と福祉に寄与することを使命とするセネガルの公益財団の一つです。1896 年に設立されて以来、IPD は西アフリカにおける感染症対策を最前線で担ってきました。IPDは国連機関に黄熱ワクチンを供給するWHOによる事前認証を受けた4つの製造メーカーの1つでもあり、年間500万から800万人分の黄熱病ワクチンを製造する能力を備えています。X(@PasteurDakar)およびLinkedIn公式アカウントもぜひご覧ください。

米国国際開発金融公社について

米国国際開発金融公社(DFC)は、民間セクターと協力し、開発途上国が現在直面する最も重大な課題の解決策に対して資金を提供しています。DFCはエネルギー、ヘルスケア、重要インフラ、食料安全保障、中小企業支援などのさまざまな分野への投融資を実施しており、DFCの投融資は高い基準を満たし、環境、人権、労働者の権利を尊重したものとなっています。

アフリカ開発銀行グループについて

アフリカ開発銀行グループは、アフリカ随一の開発金融機関であり、アフリカ開発銀行(AfDB)、アフリカ開発基金(ADF)、ナイジェリア信託基金(NTF)の3つの組織から構成されています。アフリカ域内41か国に事務所、そして日本にアジア代表事務所を構えており、54のアフリカ域内加盟国の経済成長と社会的発展に貢献しています。詳細はwww.afdb.orgをご覧ください。

Contacts

Kadiatou Boiro
+221 78 589 58 81
Abdoul Maiga
+ 1 202 967 8969