零細・中小企業は、タイの労働力の86%を占め、同国の国内総生産(GDP)の45%を占めています。しかし、これらの企業は、新型コロナのパンデミックにより、売上減少、サプライチェーンの混乱、運転資金の不足などの多くの課題に直面しています。
しかし、銀行による零細・中小企業向けの貸付は、不良債権比率が高いために従来より厳しいものとなっており、ノンバンク金融機関は未だ規模が小さく、タイの金融システム全体の総資産の5パーセント未満となっています。これは主に、ノンバンク金融機関が預金を受けていないため、資金源が多様化されておらず、リスクが高いと見なされる非公式労働者、個人起業家、零細・中小企業を顧客対象としているためです。
IFCは、タイの小規模企業の金融アクセス改善を図るため、同国のNgern Tid Lor Public Company Limited(TIDLOR)に対し、ノンバンク金融機関向けとしては初となる融資を行いました。 IFCの融資によって民間企業の成長、雇用創出及び金融包摂を促進し、強靭な経済回復を後押しすることを目的としています。
最大1億ドル(約30億タイバーツ)に上るIFCの融資パッケージにより、TIDLORは、同国内の零細・中小企業への貸付を増やすことが可能となり、IFCはまた、TIDLORの資金調達の多様化を図るため、海外投資家の資金を動員し、信用リスク管理フレームワークの改善に向けた支援を行います。